「オーストラリアって永住権を取るの難しいの?」
「オーストラリアで永住権を申請する条件は?」
「オーストラリアの永住権に繋がるビザってどんなビザ?」
みなさんはこのような疑問やお悩みをお持ちではないですか?
オーストラリアの永住権を取得することは年々難しくなってきています。戦略的かつ計画的である必要があるでしょう。
この記事では、オーストラリアの永住権を取得するメリット、永住権につながるビザの種類と申請条件、永住権を取得しやすい職種などについて徹底解説します。
オーストラリア永住権取得のメリット

オーストラリアの永住権を取得するメリットは下記の5つです。
- 国民保険に加入することができる
- オーストラリア国民と同じ学費で学校に通える
- 就職活動の幅が広がる
- 社会保障サービスを受けられる
- 不動産の購入やビジネスの企業がしやすくなる
それぞれのメリットについて1つずつ解説します。
国民保険に加入することができる
オーストラリアにはメディケアという国民保険があります。課税所得の2%を保険料として支払うことで、GP(総合診療医)や公立病院での入院や治療を無料で受けることが可能です。
オーストラリア国民と同じ学費で学校に通える
留学生が支払う学費と現地住民が支払う学費は雲泥の差があります。モナッシュ大学院留学中に知ったのですが、留学生は現地民の約3倍ものの学費を支払っているようです。そして学費はどんどん値上がりしています。
しかし、永住権を取得することでオーストラリア国民と同じ学費で学校に通えるのは魅力的ですね。
就職活動の幅が広がる
私はオーストラリアで就職活動をし、オーストラリア企業で働いた経験があるのですが、永住権を取得している人の方が就職活動の幅が広いと言えます。
「オーストラリア国民またはオーストラリア永住権保持者のみ応募可」といった求人も多いからです。そしてそのような求人の方が競争率も低くなるため、内定も獲得しやすくなるでしょう。
また、求人票にそのような記載がなくてもレジュメにビザの種類や有効期限について記載したり、面接で聞かれることもあります。永住権を取得していることは、それだけ長くその会社で勤務することができる可能性が高いと思われるので非常に有利になるでしょう。
社会保障サービスを受けられる
オーストラリアの永住権を取得するとさまざまな社会保障サービス、つまり補助金を受けることができます。下記がその補助金の例です。
- 予防接種補助金
- 子育ての補助金
- 住宅費補助金
- 自然災害補助金
- 死別補助金
不動産の購入やビジネスの企業がしやすくなる
永住権を取得すると不動産や家の購入をすることができます。言うまでもなく、そのためのローンの申請もしやすくなるでしょう。
そして、永住者は起業することも認められているので、オーストラリアでビジネスを始めたい場合は、まずは永住権を取得することを目標にしましょう。
オーストラリアに移住することのメリットとデメリットについては下記の記事でまとめているので、こちらも併せて読んでみてください。
オーストラリアでの永住権につながるビザの種類

オーストラリアの永住者になるために必要なビザは下記の通りです。
- 技術独立永住ビザ:オーストラリアで必要とされる職種に従事できる人
- 才能ビザ:さまざまな分野で世界レベルの技術やスキルを持っている人
- 雇用主指名ビザ:会社がスポンサーになってあなたを指名するビザ
- 配偶者ビザ:オーストラリア国民、オーストラリア永住者、またはニュージーランド人と婚姻関係を結ぶことで取得できるビザ
- 家族呼び寄せビザ:オーストラリアで既に永住権を所持している者が、自分の親や子を呼び寄せることができるビザ
- 投資家ビザ:これまでの投資経験を活かし、オーストラリアでの投資を成功させる活動を行うためのビザ
- 事業者関連ビザ:自国で成功したビジネスを、オーストラリアでも立ち上げるためのビザ
この記事では、特にみなさんに関係がありそうな技術独立移住ビザと配偶者ビザにフォーカスして詳しく解説します。
独立移住ビザについて

オーストラリアで永住権取得につながる独立移住ビザは下記の4つです。
- 技術独立永住ビザ
- 技術指名永住ビザ
- 地方移住技術就労ビザ
- ビジネスビザ
それぞれのビザについて特徴と申請条件についてご紹介します。
技術独立永住ビザ(Subclass 189)
サブクラス189のビザは、スポンサーをつけずに自力で取得するビザです。このビザを申請するためには下記の条件を満たす必要があります。
- MLTSSL (Medium and Long-term Strategic Skills List) に掲載されている職種で就労しており、その職種で求められるスキルと経験を持っていること
- 45歳未満であること
- 心身ともに健康であること
- 十分な英語力があること
- 65点以上のポイントがあること
このビザを取得するためには、まずはMLTSSLに掲載されている職種をチェックし、それに関連のあるコースをオーストラリアの大学、大学院、またはTAFE(専門学校)で履修し、現地就職をすることで、このビザを取得できる可能性が高まるでしょう。
また、ポイントが高い人ほど優先度が高くなるのでポイントもチェックすることをおすすめします。
医療従事者、シェフ、会計士、エンジニアが特に人気があります。
技術指名永住ビザ(Subclass 190)
サブクラス190はオーストラリアの各州や準州から指名(ノミネート)されることで申請できるビザです。このビザを申請するためには下記の条件を満たす必要があります。
- MLTSSLとSTSOL (Short-term Skilled Occupation List)に掲載されている職種に就き、その職種に必要なスキルと経験があること
- 45歳未満であること
- 十分な英語力があること
- 心身ともに健康であること
- 65点以上のポイントがあること
地方移住技術就労ビザ(Subclass 491)
サブクラス491は各オーストラリア州または準州、あるいは地方の資格を所持する親族によって指名(ノミネート)されるビザです。このビザは5年の有効期限があり、永住権に直接的につながるビザではありません。しかし、5年のうち3年間地方に移住し、就労することで、永住権につながる技術地方永住ビザの取得につながります。このビザを申請するためには下記の条件を満たす必要があります。
- オーストラリアの地方や郊外に居住すること
- MLTSSL, STSOL, またはROI(Regional Occupation List)に掲載されている職種に就き、その職種に必要なスキルや経験があること
- 45歳未満であること
- 65点以上のポイントがあること
- 心身ともに健康であること
- 十分な英語力があること
ビジネスビザ(Subclass482)
サブクラス482は勤務する会社がスポンサーになり、その会社から指名(ノミネート)されることで申請できるビザです。あなたの職種によって滞在できる期間が異なります。MLTSSLに掲載されている職種である場合は4年間滞在でき、STSOLリストに掲載されている職種である場合は2年間しか滞在できず、こちらの場合は永住権取得につながらないので注意が必要です。
ビジネスビザを申請するための条件は下記の通りです。
- 雇用主からのスポンサーやノミネートがオーストラリア政府に認可された者であること
- 2年間のフルタイムでの就業経験と、それに見合ったスキルを所持していること
- 企業が規定された水準以上の給与を申請者に支払っていること
- その職種に従事できる人材がオーストラリア国民にいないこと
- これまでに申請者がオーストラリア国内外で犯罪歴がないこと
配偶者ビザについて

オーストラリア国民、オーストラリア永住者、またはニュージーランド人と結婚または事実婚をすると申請できるのが配偶者ビザです。同性婚も認められています。パートナービザはサブクラス820とサブクラス801があり、それぞれの違いについてご紹介します。
パートナービザ(Subclass 820)
まず、オーストラリアのパートナービザを申請するためには下記の条件を満たす必要があります。
- 申請者とそのパートナーはオーストラリア国内で既に結婚または事実婚の状態であり、今後もオーストラリアに居住を続ける意思がある
- 申請者も、そのパートナーも18歳以上である
そしてサブクラス820は暫定ビザと呼ばれており、2年間オーストラリアに居住することが認められるビザです。このビザを所有するとフルタイムで勤務することが可能です。
しかし、この2年の間にパートナーと別れてしまうと、このビザは無効になってしまい、永住権の取得につながりません。
パートナービザ(Subclass 801)
サブクラス820で2年間の婚姻関係・事実婚の関係を維持することができたら、サブクラス801に切り替えられます。サブクラス801を取得するとオーストラリアに永住することができます。
ここ10年ほどでオーストラリアに偽装結婚や結婚詐欺でオーストラリアの永住権を取得する者が急増しているそうです。そのために、オーストラリア政府もパートナービザ申請者に対しては、時間をかけてゆっくりと、かつ高額なビザ申請費用を請求して、きちんとしたパートナービザ申請者であるかどうかを見極めています。
そのため、オーストラリアでパートナービザを取得することはかなり難しいです。
オーストラリアの移民受け入れ状況

新型コロナが発生するまではオーストラリアの永住権取得は年々困難になっているという状況がありました。
しかし、新型コロナウィルスで状況が大きく一変したのです。
オーストラリアの多くの地域や都市で2020〜2021年にロックダウンや国境封鎖をしました。そのため、移民の受け入れができず、既にオーストラリアに居住していた多くの移民や留学生が自国に帰国してしまったのです。
多くの移民によって経済が支えられてきた国であるオーストラリア。さまざまな業界や分野で労働力不足に喘いできました。現在は国境が再び開いたとは言え、まだまだ労働力不足が叫ばれています。また、新型コロナによってオーストラリア経済が大きなダメージを受けました。
それゆえに、オーストラリアは経済を新型コロナ以前のレベルに戻すためには500万人ものの技能移民が必要であると謳っています。これは第二次世界大戦直後の移民の受け入れと同じレベルです。つまり、今後4〜5年はオーストラリアの永住権が取得しやすい千載一遇のチャンスであると言えます。
オーストラリアの永住権取得に繋がりやすい職種トップ3
オーストラリアで永住権取得につながりやすい職業というのは、つまりオーストラリアで人材不足に喘いでいる職種です。近年、下記の3つの職種の人材が不足しており、これらの職種に従事すると永住権が取得しやすいと言われています。
- シェフ
- エンジニア
- 看護師
これらの職種がなぜ不足しているのかといった理由については下記の記事で詳しくまとめていますので、興味がある方はこちらの記事も併せてお読みください。
しかし、1つ注意点があります。オーストラリアで永住権を取得するためには、オーストラリアで求められている職種に従事することが近道ではありますが、オーストラリアの永住権取得をしたいがために、自分が興味がない仕事を選ぶことは得策ではないです。
永住権取得は非常に時間がかかります。まずはオーストラリアの大学やTAFEといった教育機関で、その職種に就くための勉強をし、そして、卒業後にその職種に就き数年働く必要があります。興味があまりないことを数年続けるのはかなり難しいです。
自分が本当にやりたいことは何なのか、その仕事を続けていける自信や覚悟があるのかをよく考えましょう。
また、オーストラリアのMLTSSLや STSOLに掲載されている職種は毎年頻繁に変更があります。今掲載されている職種が数年後になくなっていることもあるでしょう。既にオーストラリアに渡って、現在MLTSSLやSTSOLに掲載されている職種を目指して留学や就業していたら時間とコストの無駄になってしまいます。
職業リストを元に永住権を取得するということはこのようなリスクがあることも忘れないでください。
まとめ:オーストラリアの永住権取得は難しい!でも不可能ではない!

いかがでしたか?オーストラリアの永住権取得は年々難化していますが、新型コロナによって今後数年は取得するのが容易になるのではないかと見られています。
しかし、上記にもありますが、オーストラリアでの永住権の取得をゴールとして、自分の好きなことや興味のあることをないがしろにすることはおすすめできません。よく考えてから、計画的に行動しましょう。
コメント