元英語教員が教える英語音読の正しいやり方・メリットを徹底解説

元英語教員が教える!効果的な英語音読のやり方 スピーキングの勉強

「英語音読って効果があるの?」

「英語音読の正しいやり方って?」

「英語音読におすすめな教材は?」

英語学習者のみなさんは英語の音読についてこのような悩みや疑問をお持ちではないですか?

英語音読は正しくやれば、英語の4技能全てを伸ばすことができる万能な勉強法です。ぜひみなさんには、正しい英語音読法を身につけて、英語力を磨いてほしいと思います。

この記事では、英語音読によって得られる効果、英語音読のやり方、英語音読をやる際の注意点、そして英語音読におすすめの教材をご紹介します。

英語音読で得られる効果3つ

英語音読の効果

英語音読に取り組むことで、下記の3つの効果を期待することができます。

  • 英語の正しい発音が身につく
  • リスニング力が向上する
  • 英文読解のスピードが上がる

それぞれの効果について詳しく解説していきます。

英語の正しい発音が身につく

音声を聞き取り、音声を真似ることで正しい英語の発音をすることができます。

そして、発音だけでなく、文字と文字のつながりであるリンキング、イントネーションや、強弱といった英語のリズムなども身につけることができ、相手に伝わりやすい英語を発声することができるようになるでしょう。

私はモナッシュ大学院に留学している間に、さまざまな国からきた留学生に出会いました。

いまだに苦手意識が強いのですが、インド人の英語はアクセントが強く、聞き取りにかなり苦労しました。このことをオーストラリア人に話したところ、「インド人の英語の聞き取りは確かに難しいけど、日本人の英語の聞き取りの方がもっと難しい」と言われ、ショックを受けたことがあります。

正しい英語の発音ができることで、相手に聞き返されることがないので自信を持って英語を話すことができます。音読練習を通じて、正しい英語の発音方法を身につけましょう。

音読練習を始める前に、実際に英語の発音の勉強をしてから入ることで正しい口や舌の動き方をマスターでき、英語音読の効果を最大限に活かすことができるのでおすすめです。

リスニング力が向上する

英語音読を続けていくことで、英語を英語の語順で理解することができるようになります。つまり、英語の音声を聞いても、日本語に訳すことなく、英語のままで理解できるようになるためリスニング力の向上につながるということです。

また上記の「正しい発音が身に付く」と関わるのですが、自分が発音できない英語は聞き取りができません。正しい英語の発音が身に付くことで、リンキングによって繋がっている音、”r”や”l”の音の違いなどを聞き取り、聞き取れた音声を脳内で文字化させることができます

英文読解のスピードが上がる

上記にもありますが、英語音読をすると英語を英語の語順で理解できるようになりるでしょう。

英語と日本語は文構造が全く異なります。英語を日本語に訳すときは、英文の最後から文頭に訳していくことが一般的です。しかし、リーディングの際にこのような訳し方をしていると非常に時間がかかります。英語の文を英語の順に理解できるようになることで、英文読解のスピードがかなり上がるようになるでしょう。

英語読解のスピードが上がると、TOEICやIELTSといった短い時間で大量の英文を読み進める必要がある英語試験で有利になります。

英語音読がおすすめな人

英語音読は全ての英語学習者におすすめな学習方法ではありますが、下記のような悩みを持つ人には特におすすめです。

  • 英語の長文読解が苦手
  • 英語を読むスピードが遅い
  • リスニングが苦手で英語の音声が正しく聞き取れない
  • 正しい英語の発音ができない

効果的な英語音読のやり方

それでは効果的な英語音読のやり方についてご紹介します。正しい英語音読のやり方の手順は下記の通りです。

  1. 英語の音声を聞く
  2. スクリプトをチェックして単語やフレーズの意味を確認する
  3. 聞き取れなかった箇所を重点的に何度も聞く
  4. それぞれの英文を音読する
  5. 全ての英文の音読を繰り返し行う

それぞれのステップについて詳しく説明します。

Step1: 英語の音声を聞く

まずはスクリプトには目を通さず、音声だけを聞いて英文の内容を聞き取ってください。

音声は何回聞いても大丈夫です。何度聞いても聞き取れなかったところや意味がわからなかった箇所を「2分32秒付近」のようにメモしておきましょう。

Step 2: スクリプトをチェックして単語やフレーズの意味を確認する

次にスクリプトや和訳に目を通して、わからない単語やフレーズの意味を確認してください。 それと同時にStep1で聞き取れなかった箇所についてその原因を突き止めましょう。例えば、単語を知らなかったから聞き取れなかったのか、それとも聞き取れた音声を文字化できなかったのかといった具合です。

Step 3: 聞き取れなかった箇所を重点的に何度も聞く

つづいて、Step1で聞き取れなかった箇所を重点的に何度も音声を聞いてください。

繰り返して聞くだけでなく、可能であれば再生速度を遅くするなどして聞くとより効果的でしょう。

それでも聞き取りができないのであれば、日本語訳をチェックしてください。そして、和訳をチェックしてから、英語のスクリプトを見ながら該当箇所の英文を聞きます。英語の文字と音声を結びつけながら聞くことを心がけるようにしましょう。

Step 4: それぞれの英文を音読する

いよいよ音読活動に入ります。全ての英文を1分ずつゆっくり音読してください。この際、音声を真似て、音声を再現するかのように英語音読することを心がけましょう。

正しく英語を発音できるようになったら、今度は英文を意味のかたまりごとに分けて、返り読みせずにそのかたまりごとに内容を理解しながら音読してください

Step5: 全ての英文の音読を繰り返し行う

全ての英文でStep4のタスクをやり終えたら、音声を使わずに全ての英文の音読を行なってください

Step5の音読では下記の3つのことに気をつけて英語音読に取り組みましょう。

  • 全ての単語の発音を正しくできているか
  • 全ての英文の内容や意味を理解できているか
  • 円滑に音読できているか

不安がある場合は、該当箇所を繰り返し音読したり、前のStepに戻って再確認をしてください。

可能であれば英文を暗誦できるようになることが理想です。英文を暗誦することで英語音読や学習に負荷がかかるのでより英語力を上げることにつながります。

英語音読をする際に気をつけるべきこと6つ

英語音読をするときに気をつけるべきこと

英語音読をする際に気をつけるべき点は下記の6つです。

  • CDなど音声がついた教材を選ぶ
  • 英文の内容がほとんどわかるレベルの教材を選ぶ
  • 音読の目的を明確にする
  • 分からない単語やフレーズの意味を調べる
  • 音読は繰り返して行う
  • 音読をする際は大きくてクリアな声で行う

それぞれの注意点について1つずつ解説します。

CDなど音声がついた教材を選ぶ

正しい英語の発音を身につけるためにはネイティブスピーカーが読み上げている音声が必要不可欠です。

音声がないと、自己流の誤った英語の発音を身につけてしまうことになり、英語音読の効果がないどころか、逆効果になってしまいます。必ず音声がついている教材を選んでください。

英文の内容がほとんど分かるレベルの教材を選ぶ

英文音読の目的は新しい単語やフレーズを身につけることではなく、英語を正しく読み上げることや英語を英語の語順で理解することです。そのため、難しい教材を選んでしまうとこれらの目的を達成することができなくなってしまいます。

英語音読に使用する教材は少し簡単な英文、具体的には辞書を使用しなくても英文の内容が8割程度理解できるような教材を選ぶと良いです。

音読の目的を明確にする

英語音読を進めていると英文を機械的に読み上げるだけで目的が曖昧になってしまい、効果が薄れてしまいます。

そのため英語音読に取り組む際には下記のように目的を明確にしながら取り組むことがおすすめです。

  • 音声に合わせて正しく英語の発音をする
  • 英語音読をしながら、英文の内容を理解することができる
  • 知らない単語やフレーズの意味がわかるようになる

これらの目的を意識しながら英語音読に取り組むのが難しい場合は、音読に使用している教材があなたに合っていない可能性があります。もう少し易しい教材に変更しましょう。

分からない単語やフレーズの意味を調べる

英語音読の効果を最大限に引き出すためには、教材に使用している英文の内容を全て理解できていることが大切です。英文の内容が理解できていないと、英語を英語の語順で理解できなくなってしまいます。

よって英語音読活動に入る前に、必ず英文全体を和訳やスクリプトを使いながら読み返し、自分が知らない単語やフレーズがないかを確認する作業が必要なのです。

音読は繰り返して行う

英文をスムーズに音読できるようになるまで、次の英文の音読に入ることはおすすめしません。

語学の基本は何度も繰り返し、反復することです。何度も繰り返すことで身につき、無意識でアウトプットができるようになります。

何回音読すればいいのか?ということは一概には言えませんが、英語音読をしてみて、つっかえることなくスムーズに音読できるようになったら次の英文に進むよう心がけてみてください。

音読をする際には大きくてクリアな声で行う

英語音読の目的は「スムーズ」に英文を読めるようになることであって、「スピーディー」に読むことではありません。

英文を速く読み上げようとすると、英語の音を正確に発音することが疎かになってしまい、英語音読の効果が薄れてしまいます。

そのため、英語音読をする際には大きくてクリアな声でゆっくりと行うことを心がけましょう。心配しなくても英語音読は慣れていくほど、スムーズに読むことができるようになるため、いずれ正確かつスピーディーに英文を読めるようになります。

英語音読の効果を感じられるまでにかかる期間

英語音読の効果が感じられるまでの期間

英語音読の効果を感じられるまでにかかる期間は英語音読のやり方や個人差があるので一概には言えません。

しかし毎日30分ほど正しいやり方で英語音読に取り組めば1ヶ月ほどで効果が出るでしょう。

英語音読を継続させるためのコツ

英語音読を継続させるためのコツ

残念ながら英語音読の効果は一朝一夕に出るものではありません。そのため継続させることが難しいと感じる方もいるでしょう。ここでは、英語音読を継続させるためのコツを2つお示しするのでぜひ参考にしてみてください。

自分が興味がある教材を選ぶ

音読練習は注意しないと機械的で単調なものになりやすいです。そのような状態になってしまうと、音読練習が苦痛になり、飽きて継続させるのが難しくなってしまいます。

しかし、自分が興味がある題材や内容の英文を選ぶことで英語音読を継続させやすくなるでしょう。

1日1分でも良いので音読練習をし習慣化させる

「よし、今度こそ頑張るぞ!」と意気込んで、1時間も英語音読のために毎日時間を割くのは現実的ではありません。

もちろん英語音読は時間をかけるほど効果はありますが、このように非現実的な学習時間を割り当てることで継続することが難しくなり無意味になってしまいます。

1日1分でも構いません。集中して、正しい英語の発音で音読する質の高い英語音読を毎日継続的に行う方がよっぽど効果的です。

英語音読におすすめな教材

英語音読におすすめな教材

最後におすすめな英語音読教材を5点ご紹介します。

英会話・ぜったい音読

2001年に発売されてから多くの英語学習者に愛用されてきた音読教材です。入門編(中学1〜2年生)、標準編(中学3年生)、そして挑戦編(高校1年生)の3つのレベルに分かれています。

英語の音声も付いており、実際に中学校や高校で使用されている教科書の英文が題材に使用されています。トピックも日本やアメリカの歴史や文化に関する内容が多いため楽しく音読練習に取り組めるはずです。

この本を音読教材として活用することで、英語を英語の語順で理解するための英語回路が築かれるでしょう。

英語力がアップする音読パッケージトレーニング

『英語力がアップする音読パッケージトレーニング』も『英会話・ぜったい音読』と同様に3つのレベルに分かれています。下記の通りです。

  • みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング
  • ぐんぐん英語力がアップする音読パッケージトレーニング
  • もっともっと英語力がアップする音読パッケージトレーニング

この教材の優れている点は、音読だけでなく、リスニング、シャドーイング、リピーティングの練習もできる点と、付属のCDのスピードが3段階に分かれており、音読練習がしやすいという点です。

English Grammar in Use Intermidiate

この教材は音読のための教材ではなく、英文法を英語で学ぶための洋書です。非常に分厚い本ですが、英語学習者のバイブルと呼んでも過言ではないほど高品質な文法書です。3つのレベルに分かれていますが、Intermidiateをマスターすれば十分でしょう。

テキストは見開きで、左側のページに文法解説、右ページが問題演習に分かれています。テキスト左側の英文を音読教材として活用しましょう。

このテキストを使えば、音読も英文法もバッチリになるので一石二鳥です!

ビジネス英語 パワー音読トレーニング

この本はプレゼンや交渉など「ビジネス英語」に特化した英文を使用しており、社会人の方の音読教材としておすすめします。

ビジネスで使用する英語のフレーズ集ではなく、ビジネスシーンを想定した会話集になっているため、飽きることなく、どのような場面で使用する単語・フレーズなのかを知ることができる点が秀逸です。

しかし、英文のレベルが少し高いので英語上級者向けの本なので気をつけてください。この本よりも易しいレベルの本が『最強の英語独習メソッド パワー音読入門』です。興味がある方はこちらも併せてチェックしてみましょう。

速読英単語

『速読英単語』は大学受験用英単語集で、入門編、必修編と上級編の3冊あります。

英文を読みながら英単語を身につけていくことをコンセプトにした単語集です。さまざまなジャンルの英文が掲載されているので飽きずに読むことができる点が音読教材として秀逸です。また、見開き1ページなので挫折しづらいでしょう。

付属のCDを活用することで、音読だけでなく、シャドーイング、リピーティング、そしてディクテーションにも応用させることが可能です。

このテキストを使用することで語彙力の強化にもつながるでしょう。

まとめ:効果的で正しい英語音読のやり方を通して英語力アップを目指そう

正しい英語音読のやり方

いかがでしたか?この記事では英語音読の効果、効果的な英語音読のやり方、注意点、そして英語音読におすすめな教材をご紹介しました。

英語音読の効果はすぐに感じられるものではありませんが、語学力をつけるためには忍耐と継続が不可欠です。正しいやり方で英語音読に取り組めば必ずその努力が報われる日が来るでしょう。

その日が来ることを信じて、毎日少しずつ、でもコツコツ英語音読に取り組んでみてください。

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