TOEICのリスニングスコアが400点を突破するくらいになると、そこからのスコアがなかなか伸びないという相談をよく受けます。
毎日リスニング教材を聞いているし、TOEICの問題も解き続けている、でもスコアが伸びない…。
筆者もこれに似たような感情を2年ほど持ったまま、リスニングスコア400点前後をさまよっていた経験があります。
今回の記事は、リスニングがある程度できるようになったはずなのにスコアが伸び悩んでいる方向けに、何が原因でTOEICのスコアアップから遠ざかっているのかをまとめました。
自分の原因はどれに当てはまるのか、または全てに当てはまってしまうのかなど、考えながらお読みいただければと思います。
Contents
TOEICリスニングスコアが伸びない原因分析
早速ですがTOEICのリスニングスコアが400点前後で伸び悩んでいる原因を突き止めていきましょう。
主な原因を大きく分けると、下記の3点に集約されるのではないでしょうか。
・「できている」「分かっている」という思い込み
・語彙力不足
・リーディング力不足
原因1:「できている」「分かっている」という思い込み
TOEICの問題を解いた後、復習はどのようにしていますか。
正解・不正解を確認し、点数を出して、もちろん間違えた問題の解説を読む。
多くの方がこの流れで復習をしているようですが、正解した問題についても、きちんと聞き取って理解して出した答えだったのでしょうか。
ここでお伝えしたいことは、「正解している=理解している」という式は成り立たないということです。
答えあわせで焦点を当てるべきは、正誤ではなく、流れてくる音声をしっかり聞き取れているかどうかです。
400点を取るくらいになってくると、一問一問をしっかり見直すという作業が漏れがちです。
TOEICの問題を終えて「今回はできた気がする!」と意気揚々としたものの、結果が届いてみるとあまりスコアが芳しいものではない…そういった経験がある方は危険です。
8割が聞き取れているのであれば、残りの聞き取れない2割に焦点を当てましょう。
「できている」「分かっている」という思い込みは、成長を止めてしまう原因になります。
その思い込みからの脱却にはディクテーションが有効です。
ディクテーションの目的は聞こえたままに書き取ることではなく、聞き取れない単語を正確に把握し、つまづいている原因を特定することです。
自分のリスニングの弱点を見極めた結果、問題文全てをきちんと聞き取れるようになります。
ディクテーションのやり方については別記事でご紹介しておりますので、こちらも参考にしてみてくださいね。

原因2:語彙力不足
当たり前のようですが、知らない単語を正確に聞き取るのは至難の技です。
語彙力があればあるほど、聞き取れる問題は増えていきます。
また、TOEICのリスニングパートでは、分からない単語が出てきたとしても音声が一瞬に過ぎ去るため、分からない単語の意味を想像している時間などありません。
リーディングパートでは、分からない単語が出てきても、接頭辞や接尾辞を見て何となくの意味を想像することが可能な場合もありますので、その点ではリスニングパートのほうが語彙力が必要とされるとも言えます。
英単語を覚えるときには、発音も合わせて覚えていきましょう。
原因3:リーディング力不足
「リスニング問題でリーディング力不足って?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
ここで指すリーディング力とは、設問と選択肢の先読みのことです。
パート3、パート4では、問題文の音声が流れる前に設問と選択肢を読む時間があります。
設問と選択肢を全て読み切り、どんな内容の会話(スピーチ)が話されるのかをイメージするところまでやりきるには、リーディング力が必要です。
問題を解き終えたら、「問題文が読み上げられる前に設問と選択肢を全て読み終えることができたか」「設問と選択肢からイメージした内容通りのストーリーだったか」を都度確認しましょう。
その精度が上がるにつれ、正答率も高まっていくはずです。
TOEICリスニングスコアを伸ばすなら細部にこだわる
TOEICのリスニングスコアが400点で伸び悩む原因を3つお伝えしてきましたが、筆者の体験談で言うと、「8割取れているんだから自分はリスニングができている」という思い込みが自分の成長を妨げていました。
むしろ当時は400点が取れたことで満足していたのかもしれません。
でももっと上を目指そうと考えた時、ある程度点数が取れてきたときに大事なことは、どこでつまづいているかを細かく特定して原因を詰めていくことだと気づきました。
今回挙げた3つの中に、もし「これは自分に当てはまることだな」ということがあれば今日から変えていきましょう。
TOEICのリスニングスコアの満点は495点、まだまだ上を目指すことができます。